私は株主優待を実施している会社を中心に株式投資を行っています。
大学生の時に始め、もうかれこれ10年近く。
現在も10銘柄くらいを保有しています。
なぜ株主優待のある会社の株を買っているのか?
それは「株主優待をもらえるのが嬉しい」とか、
「配当金と合わせた総合利回りで考えると利率が良い」とかいった理由もありますが、
一番の理由は”臨場感”があるからだと考えています。
この会社に投資しているんだという実感です。
今回は私の思う投資のあり方、姿勢について書かせていただきます。
受験生が本気になる瞬間
これは予備校の講師をされている人が語っていた話です。
大学入試に向けて、日々勉強している受験生ですが、やはり人間ですから一人ひとりモチベーションややる気の度合いが異なります。
しかしどんな受験生であっても、「ある日」を境に勉強に対する姿勢が変わる、本気になる瞬間があるというのです。
「ある日」とは一体いつのことなのかわかりますか?
追い込みの夏期講習?
公開模試?
試験の何ヶ月か前?
答えは・・・
オープンキャンパスです。
実際に電車やバスに乗って、通学路を歩いて校門をくぐる。
校舎や運動場を眺め、そこで学んでいる学生を実際に見てみる。
志望校という名のぼんやりしていた目標が、オープンキャンパスを通じて、実感を伴ったリアルなものに変わっていくのです。
”臨場感”を持つことが、受験生たちの勉強へのモチベーションを高めてくれるのです。
預貯金も金融資産もバーチャルなもの
銀行に預けているお金も、保有している株式等の金融資産も、現在はデータで管理されています。
お仕事をした報酬として支払われるお金も、銀行振込なら通帳の数字が増えるだけです。
2009年より株券も電子化されておりますし、
外貨のFXをしている人もデータ上でやり取りしているだけで、どれだけドルやユーロを保有していたとしても、現物のドル紙幣やユーロ紙幣を口座から引き出せるわけではありません。
だからどれだけ資産運用や投資をしていても、今一つ実感がわかないんですよね。
もちろん保有株の株価が上がれば嬉しいですし、急落すれば背筋が凍るような思いにはなります。
ですが、受験生のオープンキャンパスのように、モチベーションを高めてくれるものには繋がらないんです。
ですが株主優待として、買物券だったり自社商品だったりが手元に届くと、
「自分はこの会社に投資しているんだな」
って実感が湧いてきます。
その会社のある地域の特産品などが送られてくると、
「この場所には行ったことがないけれど、こんなに美味しいものがあるんだな」
と、ついつい思いを馳せてしまうのです。
投資している会社のことをもっと知り、もっと応援したい
私が投資する会社を決める基準。
もちろん事業内容や業績、過去数年分のチャート、PERやPBRなども考慮にいれていますが、
実際に店舗やサービスを利用してみて「良い」と思えたかどうかを重視しています。
だから私が保有している株は、普段からよく利用する飲食店や販売店などが多いです。
まあ近くに優待券を使える店舗そのものがなければ、買物券や割引券をもらっても意味がないので当然ですね。
もともと利用しているお店の株を買うことで応援する
↓
優待券や自社商品をもらって、その会社のことをもっと知るようになる
↓
さらに応援したくなる
投資した会社への好意と敬意と感謝をもって株を保有し、その会社の成長と発展を祈りながら自分の資産も増やしていく。
優待を受け取ることで、株主であるという実感と、投資をしていることの臨場感を感じているのです。
おわりに
保有している会社の株価が上がれば売却することもありますが、基本的には長期保有のつもりで株を買っています。
株主優待を実施している企業への投資は、株式投資の中の1ジャンルとなっており、雑誌やテレビなどでも取り上げられています。
それゆえか、優待をもらうためだけに株を求める人たちが一定数います。
権利確定日前には株を求める人が殺到し、権利確定日後には用済みとばかりに投げ売られるので、株価が乱高下する銘柄も少なくありません。
もちろん投資は自己責任であり、どの時期に、どの銘柄に資産を投じようと、誰にも非難されるいわれはありません。
しかしどんな銘柄であっても、企業とは人の集合体です。
一生懸命働いている人がいて、価値ある商品やサービスを提供して、それにお金を払うお客さんがいてくれて会社は利益を出せているのです。
その利益だけを搔っ攫うだけの投資家ではありたくないと思っています。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。