株主になると、配当金や株主優待を受け取る株主権利を手に入れることができます。
この株主権利がいつか確定するのかというと、会社が定める権利確定月の月末なのですが、
株主権利の発生する日は権利確定月の月末ではないのです!
いつ株主権利を受け取れるのか、きちんと理解していないと1日間違えただけで
せっかく株を買ったのに配当金や株主優待が受け取れない
権利落ちで株価が下落してしまった
なんてことになりかねません。
「権利確定日」と「権利付き最終日」の違い、そして具体的にどの日に株主権利を受け取れるのかを説明していきます。
株式投資をする上で非常に重要な項目ですのでしっかり理解してくださいね!
目次
権利確定日・権利付き最終日・権利落ち日の違い
株主になると、その会社に対して「株主権利」を持つことができます。
株主権利とは、「配当金」や「株主優待」を受け取る権利、「株主総会」に出席する権利のことをいいます。
その会社が定める権利確定月に株主権利を受け取ることができます。
多くの企業は3月や9月に設定していることが多いのですが、会社によって違っているので確認が必要です。
マクドナルドの場合は「6月末、12月末」に設定されています。
Yahoo!ファイナンスより画像キャプチャ
この権利確定月の表記は「○月末」となっているため、
例えば3月末と書いてあると、「3月31日に株主権利を受け取れるのか」と一見思いがちですが、株主権利が発生する日と確定する日は異なります。
このことを知らずにいると、
せっかく株を買ったのに配当金や株主優待が受け取れなったり、
権利落ちで株価が下落してしまったり、
といった思わぬ損失を被ることがあります。
せっかくのチャンスを1日違いの不注意で逃さないために、
株主権利が発生する「権利付き最終日」と確定する「権利確定日」の違いをしっかり把握しておきましょう。
株主権利が確定する「権利確定日」
株主権利がもらえる権限が確定する日のことを「権利確定日」といいます。
会社が定める権利確定月の月末にあたる日で、この日の「株主名簿」にあなたの名前が記載されていれば、配当金や株主優待を受け取ることができます。
そして株取引の初心者の方に注意していただきたいのですが、
権利確定日「当日」に株を購入しても株主権利を受け取ることはできません。
株主権利を得るためには、権利確定日の3営業日前までにその株を購入し保有しておく必要があります。
その権利確定日の3営業日前のことを「権利付き最終日」といいます。
株主権利が発生する「権利付き最終日」
株式を保有していることで株主権利を得られる日のことを「権利付き最終日(権利取り日)」といいます。
例えば3月期決算の会社を例にすると、
3月31日が権利確定日となり、権利付き最終日は3月28日になります。
なぜ3営業日前になるかというと株主の名義書換に時間がかかるためです。
(※かつては4営業日前でしたが2009年11月より3営業日前に変更となりました)
権利付き最終日に株を持っていることで、権利確定日に株主として株主名簿に記載されることになり、配当金や株式優待などの権利を手に入れることができます。
つまり配当金や株式優待を目的とするのなら、権利付き最終日に株を持っているか、持っていないかという点が非常に重要となってくるのです。
たとえ権利付き最終日の1日しか株を保有していなくても、株主優待や配当の権利を受けられることになります。
権利付き最終日の翌営業日「権利落ち日」
権利付き最終日の翌営業日のことを「権利落ち日」といいます。
権利付き最終日に株式を保有していれば株主名簿に名前は載りますので、その次の日、権利落ち日に株を売却しても、配当金や株式優待を受け取ることができます。
逆に権利落ち日に株を買っても、配当金や株式優待を受け取ることができるのは次の権利付き最終日となり、早くて半年、長くければ1年保有し続けないと株主権利は手に入りません。
また、この権利落ち日には株価が下落する傾向にあります。
配当金や株主優待は権利付き最終日当日だけ持っていれば受け取れますが、この日は皆が株を欲しがるので高値になりがち。
そして株主権利を受け取った後の株は必要ないと、投資家が株を手放すため株価が値下がりするのです。
株価が高い状態で買ってしまうと、権利落ち日に急落してしまい、配当金や株主優待で得た収益以上の損失が出てしまう危険性があるので注意が必要です。
関連記事 → 株主優待生活を目指す人は権利落ち日の株価急落に注意!
権利付き最終日の調べ方
Yahoo!ファイナンスなどの銘柄情報には、権利確定月や権利確定日の記載はあっても、「権利付き最終日」は載っていない場合が多いです。
そのため、権利確定日に保有すれば良いんだと間違ってしまう初心者の方が多いのです。
権利付き最終日を知るに当たり、忘れてはいけないのは3日前ではなく3営業日前ということ。
株式市場が営業している、土日祝日ではない平日だということです。
先に例であげた3月期決算の会社の場合、土日祝日の休みを含まない場合、
3月31日が権利確定日となり、権利付き最終日は3月28日になります。
それでは土日祝日が絡んでくる紛らわしい場合はどうなるのでしょうか。
いつ持っていれば権利を獲得できるのか、具体的に見てみましょう。
権利確定日が土日祝日の場合
まず権利確定日が土日だった場合、平日の金曜日に繰り上がり、その3営業日前の日が権利付き最終日になります。
権利確定日が31日の日曜日だったとしましょう。
証券取引所は土日が休みなので金曜日まで繰り上がり、そこから3営業日前の27日が権利付き最終日になります。
権利確定日前に土日祝日をはさむ場合
権利確定日の前に土日祝日をはさむ場合はどうでしょうか。
土日祝日は証券取引所があいていませんので営業日にカウントしません。
権利確定日が31日の月曜日だったとしましょう。
権利確定日の前にある土日はカウントせず、28日から3営業日前の26日が権利付き最終日になります。
権利付き最終日は証券会社のサイトで確認できる
場合分けして権利付き最終日の調べ方についてお話してきましたが、
株主優待のある会社に関しては証券会社のサイトで権利付き最終日を知ることができます。
私が普段から使っているSBI証券の場合で見てみましょう。
① SBI証券のWEBサイトにアクセスし、調べたい銘柄を打ち込みます。
② 株主優待のタブをクリックすると
③ 権利付き最終日について記載があります。
配当金や株主優待の取り逃しのないよう、権利付き最終日がいつなのか必ず把握しておきましょう。
まとめ
株主権利が発生するのは権利付き最終日です
権利付き最終日に1日しか持っていなくても株主権利を受け取れます
権利落ち日に株を取得しても株主権利は発生しません
権利確定日が土日祝日の場合、平日まで繰り上がった3営業日前が権利付き最終日です
権利確定日前に土日祝日を挟む場合、土日祝日をカウントしない3営業日前が権利付き最終日です
株主優待のある銘柄は証券会社のサイトにて権利付き最終日を確認できます
最後までお読みいただき、誠にありがとうございました。